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  1. ひとひら

    アニメ『ひとひら』全12話を3年ぶりにみた。やっぱり素晴らしい傑作。ダメ少女が最後までよちよちしながら成長していくその純粋さに打たれる。成長物語、芸道ものにありがちな、根性論、いじめ世界が皆無なのが、みていて清々しい。主人公のダメさは、人類の99%以上がこういうものであるからして、格別なリアリティがある。しかし最後にポジティブを獲得する課程が自然であり、ドラマになっている。
    恋愛要素がほとんどないため、下卑た感情にはまるでならないという特徴がある。当時私は、百合ものとしてみていて、確かにそう捉えることはできる。しかし再度みてみるとそれも下卑た捉え方だと今にして思え、これは友情と自分のアイデンティティに苦悩する少女の美しい物語なんだと、素直に感動する。たまにはこういう、オタク知識が全く機能しないアニメで、邪心なく涙を流すことを定期的に行いたいものだ。
    2007年の作品で、まだその後の主流の新しい声優が起用されていないせいか、重厚といえる声優陣で、見応えがある。これはとくに川澄綾子さんと雪野五月さんのこと。このふたりがこういったファンタジー要素がまったくない人間ドラマをシリアスに演じると、うならされるね。若い声優では絶対出せない存在感がある。
    シリーズ構成は完璧といえる。第9話でまずクライマックスを終えるが、その後が実は白眉。じっくり3話分使って丁寧に練り上げた終盤の展開は、他のアニメも見習うべき。最終回ひとつ前で終わらせたりするものが多いが、それではちゃんと着地していないものばかりなのが現状です。
    アニメは一年生編で、これ以上ないくらい完結しているが、原作漫画のその後を読んでみたくなる。

    ひとひら :: TVアニメーション「ひとひら」公式サイト ::